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2025.11.20

根管治療(神経の治療)って何をしているの?回数や痛みの不安を歯科医が解消します

こんにちは。愛知県津島市の歯医者、たかしま歯科 院長の高嶋 俊裕です。

虫歯が進行してしまい、歯医者さんで「これは神経まで達していますね。根の治療が必要です」と言われた経験はありませんか?あるいは、現在まさにその治療に通われている方もいらっしゃるかもしれません。この「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ばれる処置は、歯科治療の中でも特に頻度が高く、そして患者様にとって「何をしているのか見えなくて不安」な治療の代表格です。

「毎回、針のようなものでガリガリされているけれど、一体何をしているの?」 「もう何回も通っているのに、まだ終わらない。あと何回かかるの?」 「治療中や治療後に、急に痛くなることはないの?」

このような疑問や不安を抱くのは、とても自然なことです。根管治療は、建物の基礎工事に例えられるほど重要な工程ですが、非常に細かく、根気のいる治療でもあります。しかし、この治療を途中でやめてしまうと、最悪の場合、歯を抜かなければならなくなってしまいます。今回は、このブラックボックスになりがちな「根管治療」について、その具体的な内容や回数がかかる理由、そして痛みとの付き合い方について、専門家の視点から分かりやすく解説していきます。

目次

  1. そもそも「根管治療」とは?歯を残すための最後の砦
  2. 目に見えない細菌との戦い!具体的な治療のステップ
  3. 【質問回答】治療回数はなぜ多くなる?終わらない理由と目安
  4. 【質問回答】治療中に痛むことはある?「フレアアップ」という現象
  5. 治療中断は絶対にNG!仮蓋(かりぶた)の限界と抜歯のリスク
  6. まとめ

1. そもそも「根管治療」とは?歯を残すための最後の砦

tooth anatomy with decay reaching the pulpの画像

Shutterstock

まず、根管治療が必要になる状況についてお話しします。歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、その内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管が通っている管があります。これを「根管(こんかん)」と呼びます。虫歯菌がエナメル質や象牙質を溶かし、この歯髄にまで到達すると、神経は細菌に感染して激しい炎症を起こします(歯髄炎)。こうなると、ズキズキとした激痛が生じ、自然治癒することはありません。

また、過去に神経を取った歯でも、根管の中に再び細菌が入り込み、根の先で膿の袋を作ってしまうことがあります(根尖性歯周炎)。このような場合に、汚染されてしまった神経や細菌、腐敗した組織をきれいに取り除き、歯を抜かずに使い続けられるようにするための治療が「根管治療」です。

いわば、歯という「家」をリフォームするにあたって、腐ってしまった「大黒柱」の内部をくり抜き、消毒して、腐らない薬を詰め直し、再び柱として機能させるような作業です。もしこの治療を行わなければ、細菌感染は顎の骨にまで広がり、最終的には抜歯するしかなくなってしまいます。根管治療は、ご自身の歯を救うための「最後の砦」とも言える、非常に価値のある治療なのです。

2. 目に見えない細菌との戦い!具体的な治療のステップ

root canal treatment stepsの画像

Shutterstock

では、具体的に毎回何を行っているのでしょうか。治療の流れは、大きく分けて3つのステップで進んでいきます。

ステップ1:汚染物質の除去(機械的拡大・清掃) まず、歯の頭の部分を削って、根管への入り口を作ります。そして、「ファイル」と呼ばれる、先端がヤスリ状になったステンレスやニッケルチタン製の細い器具を使い、根管の中にある感染した神経や、細菌に侵された歯質をこそげ取っていきます。この時、単に汚れを取るだけでなく、細くていびつな形をしている根管を、お薬が入りやすいような形に整える作業も行います。患者様が感じる「ガリガリ」という感覚は、この作業によるものです。

ステップ2:洗浄と消毒(化学的清掃) 機械的に汚れを取っただけでは、目に見えない微細な細菌までは除去しきれません。そこで、次亜塩素酸ナトリウムなどの強力な洗浄液を使って根管内を洗い流し、さらに貼薬(ちょうやく)と呼ばれる消毒薬を根管の中に入れて蓋をします。この「消毒薬を入れて、細菌が減るのを待つ」という工程を、数回繰り返す必要があります。これが、治療回数が増える大きな理由の一つです。

ステップ3:根管充填(こんかんじゅうてん) 痛みや膿がなくなり、根管内が無菌に近い状態になったと判断されたら、最終的な仕上げを行います。空洞になった根管の中に、「ガッタパーチャ」と呼ばれるゴムのような薬を隙間なく詰め込み、再び細菌が入り込まないように密閉します。これが完了して初めて、土台を立てて被せ物を作るステップへと進むことができます。

3. 【質問回答】治療回数はなぜ多くなる?終わらない理由と目安

「あと何回かかりますか?」というご質問に対する答えは、実は非常に難しく、個人差が大きいのが正直なところです。しかし、一般的な目安としては、前歯などの根が1本の単純な歯で2回から3回、奥歯などの根が複数あり複雑な歯で3回から5回程度かかることが多いです。状態が悪い場合や、再治療(やり直し)の場合は、それ以上かかることも珍しくありません。

なぜ、そんなに回数がかかるのでしょうか。それは、根管の構造が「非常に複雑」だからです。教科書のイラストでは、根管は単純な一本の管のように描かれていますが、実際は木の根っこのように複雑に枝分かれしていたり、網目状に繋がっていたり、大きく湾曲していたりします。complex root canal system anatomyの画像

Getty Images

歯科医師は、この暗くて狭いミクロの迷宮の中に潜む細菌を、手探りや顕微鏡を使って徹底的に除去しなければなりません。もし細菌を取り残したまま蓋をしてしまうと、将来必ず再発します。そのため、一度で終わらせることは非常に困難であり、消毒薬を交換しながら、細菌がいなくなるまで慎重に治療を繰り返す必要があるのです。「なかなか終わらない」と感じる期間は、実は「再発を防ぐために徹底的に細菌と戦っている期間」であるとご理解いただければ幸いです。

4. 【質問回答】治療中に痛むことはある?「フレアアップ」という現象

「治療中や治療後に痛くなることはありますか?」というご質問ですが、これについては「可能性があります」とお伝えしなければなりません。

まず、治療中の痛みについてですが、神経が生きている場合や炎症が強い場合は、麻酔をして治療を行いますので、治療中に激痛を感じることは基本的にはありません。しかし、根の先に膿が溜まっている場合などは、麻酔が効きにくいことがあります。

次に、治療後の痛みについてです。治療をした当日の夜や翌日に、痛みが出たり、歯茎が腫れたりすることがあります。これは「フレアアップ」と呼ばれる現象です。根管の中を触ることで、一時的に細菌が活性化したり、器具の刺激が根の先に伝わったりすることで起こる急性炎症反応です。決して治療が失敗したわけではなく、体が治ろうとする過程で起こる反応の一つです。多くの場合、処方された痛み止めや抗生物質を服用していただくことで数日で治まります。 また、治療期間中は、仮の蓋をしている状態ですので、硬いものを噛んだりすると歯にヒビが入ったり、痛みの原因になったりすることがあります。治療中の歯では、なるべく噛まないように安静にしていただくことが大切です。

5. 治療中断は絶対にNG!仮蓋(かりぶた)の限界と抜歯のリスク

根管治療において、最も危険なこと。それは「痛みがなくなったからといって、治療を途中でやめてしまうこと(治療中断)」です。

根管治療中は、次回の治療までの間、白い石膏やセメントなどで「仮の蓋」をしています。この仮の蓋は、あくまで一時的なものであり、封鎖性は完全ではありませんし、すり減りやすく、耐久性もありません。もし、治療を中断して数ヶ月放置してしまうと、仮の蓋の隙間から、あるいは蓋が取れてしまった穴から、お口の中の細菌が根管の奥深くまで一気に侵入します。

治療途中の歯は、神経による防御機能が働かないため、細菌に対して無防備な状態です。再感染を起こすと、以前よりも虫歯が深くまで進行し、歯がボロボロになったり、根の先の骨が大きく溶かされたりしてしまいます。そうなると、もはや治療で救うことはできず、「抜歯」という選択肢しか残らなくなってしまいます。 「痛くないから」は「治った」ではありません。根管治療は、マラソンのようなものです。一度走り出したら、ゴール(最終的な被せ物が入る)まで、走り切ることが重要です。忙しくて通院が難しい時期がある場合は、必ず担当医に相談してください。

まとめ

根管治療について、その内容と回数、痛みの理由について解説しました。

  1. 根管治療は、汚染された神経や細菌を取り除き、歯を抜かずに残すための基礎工事
  2. 治療は、「除去」「洗浄・消毒」「充填」のステップで行われる。
  3. 根管は複雑な形をしているため、細菌を完全に取り除くには数回の通院が必要となる。
  4. 治療後に一時的な痛み(フレアアップ)が出ることがあるが、治癒過程の反応であることが多い。
  5. 自己判断での治療中断は、抜歯に直結する最も危険な行為である。

根管治療は、地味で根気のいる治療ですが、その歯の寿命を決定づける最も重要な治療です。 愛知県津島市のたかしま歯科では、この根管治療の成功率を高めるために、丁寧な処置と説明を心がけています。もし治療中に不安なことや痛みがあれば、遠慮なくご相談ください。あなたの大切な歯を守るために、最後まで一緒に頑張りましょう。

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