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2025.11.06

ワイヤー矯正との違いは?マウスピース矯正で「できること・苦手なこと」を正直に解説

こんにちは。愛知県津島市の歯医者、たかしま歯科 院長の高嶋 俊裕です。

近年、矯正治療の技術は飛躍的に進歩しており、中でも透明なマウスピースを使用した矯正治療(インビザラインなど)は、その目立ちにくさと快適さから、多くの患者様に選ばれるようになりました。当院のカウンセリングでも、最初から「マウスピース矯正をやりたいです」と希望される方が非常に増えています。しかし、その一方で、患者様からよくいただくのが、「私の歯並びは、マウスピースで本当に治るのでしょうか?」「ワイヤー矯正じゃないと無理だと言われませんか?」といった、適応症例に関するご質問です。

インターネット上には様々な情報が溢れており、「マウスピースは何でも治せる」という記事もあれば、「難しい症例は治らない」という意見もあり、何が真実なのか判断に迷われている方も多いのではないでしょうか。実は、マウスピース矯正とワイヤー矯正は、歯を動かすメカニズム自体が異なるため、それぞれに「得意な動き」と「苦手な動き」が存在します。どちらが優れているかではなく、ご自身の歯並びに合っているかどうかが最も重要なのです。今回は、ワイヤー矯正と比較しながら、マウスピース矯正で対応できること、できないこと、そしてご自身のケースが適応可能かを判断するためのポイントについて、専門家の視点から詳しく解説していきます。

目次

  1. そもそも仕組みが違う?ワイヤーとマウスピースの歯の動かし方
  2. マウスピース矯正が得意なこと:非抜歯での整列や開咬の改善
  3. マウスピース矯正が苦手なこと:大きな移動や歯のねじれ
  4. ワイヤー矯正の強み:あらゆる症例に対応できる万能性と微調整
  5. 「私のケースは対応可能?」判断の基準とハイブリッド治療という選択
  6. まとめ

1. そもそも仕組みが違う?ワイヤーとマウスピースの歯の動かし方

まず、マウスピース矯正とワイヤー矯正の決定的な違いは、歯に力をかけるメカニズムにあります。これを理解することで、それぞれの得意・不得意が見えてきます。

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという突起を接着し、そこに通したワイヤーが元の形に戻ろうとする弾力性を利用して歯を動かします。ワイヤーが歯をグイグイと引っ張ったり押したりすることで、歯の根っこからダイナミックに移動させることが可能です。常に一定の力がかかり続けるため、歯の移動をコントロールしやすいのが特徴です。

一方、マウスピース矯正は、現在の歯並びよりもわずかに理想の位置にずらしたマウスピースを装着し、そのマウスピースの弾力で歯を押し込むようにして移動させます。新しいマウスピースに交換するたびに、歯が段階的に動いていく仕組みです。ワイヤーが「線」で力をかけるのに対し、マウスピースは「面」で歯全体を包み込んで力をかけます。この違いにより、マウスピース矯正は痛みが少ないというメリットがある反面、歯を引っ張り出すような動きや、根っこを平行に移動させるような大きな力が必要な動きには、構造上の限界があるのです。

2. マウスピース矯正が得意なこと:非抜歯での整列や開咬の改善

では、マウスピース矯正はどのようなケースが得意なのでしょうか。まず挙げられるのは、歯を外側に傾斜させてスペースを作る動きや、奥歯を後ろに移動させる(遠心移動)動きです。

軽度から中等度のガタガタ(叢生)の場合、ワイヤー矯正では抜歯が必要になるケースでも、マウスピース矯正であれば、歯列全体を側方に拡大したり、奥歯を後ろに送ったりすることでスペースを確保し、健康な歯を抜かずに並べられる可能性が高くなります。これは、マウスピースが歯列全体を覆っているため、一箇所に力が集中せず、全体をバランスよく拡張できるからです。

また、「開咬(かいこう)」と呼ばれる、奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない状態の治療も得意としています。マウスピースの厚みが奥歯の噛み合わせの面に介在することで、噛む力によって奥歯を骨の中に沈み込ませる(圧下させる)効果が働き、結果として開いた前歯が閉じやすくなるのです。このように、歯列全体をコントロールしながら微調整を行うような動きに関しては、マウスピース矯正は非常に優れた能力を発揮します。

3. マウスピース矯正が苦手なこと:大きな移動や歯のねじれ

一方で、マウスピース矯正にも苦手な動きがあります。代表的なのが、歯を大きく平行移動させることです。

特に、抜歯をしてできた大きなスペースを閉じる場合、歯の頭部分だけでなく、骨の中にある根っこ部分も一緒に平行に移動させる必要があります。しかし、マウスピースは歯の頭部分を覆って押す力しかかけられないため、どうしても歯が傾いて倒れ込むような動き(傾斜移動)になりやすく、根っこのコントロールが難しいのです。そのため、抜歯が必要な重度の出っ歯や受け口のケースでは、治療期間が長くなったり、仕上がりの精度が落ちたりするリスクがあります。

また、円柱状に近い歯(小臼歯や犬歯など)がねじれている場合、ツルツルしたマウスピースでは掴みどころがなく、回転させる力をかけるのが苦手です。さらに、歯茎の中に埋もれている歯を引っ張り出す(挺出)動きも、マウスピース単独では困難です。これらの動きを実現するために、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれるプラスチックの突起をつけて力をかけやすくする工夫も行われますが、それでもワイヤー矯正の確実性には及ばないケースが存在します。

4. ワイヤー矯正の強み:あらゆる症例に対応できる万能性と微調整

ここで改めてワイヤー矯正の強みを見てみましょう。ワイヤー矯正の最大のメリットは、その適応範囲の広さと確実性です。

ブラケットとワイヤーで歯をガッチリと把持するため、歯を平行移動させたり、ねじれを解消したり、高さを揃えたりといった、三次元的なコントロールが非常に得意です。そのため、抜歯が必要な難症例や、骨格的な問題を含むケース、複雑な噛み合わせの治療など、ほぼ全ての症例に対応することができます。

また、治療の後半における細かい噛み合わせの調整(フィニッシング)においても、ワイヤー矯正は優れています。歯科医師がワイヤーを微調整することで、上下の歯の接触点や角度をミリ単位で修正し、理想的な噛み合わせを作り上げることができます。マウスピース矯正でも可能ですが、ワイヤー矯正の方がよりダイレクトに、かつスピーディーに調整を行える場合が多いです。「どんなに難しい歯並びでも、確実にゴールまで導ける」という安心感こそが、ワイヤー矯正が長年選ばれ続けている理由と言えるでしょう。

5. 「私のケースは対応可能?」判断の基準とハイブリッド治療という選択

「結局、私はマウスピースで治せるの?」という疑問に対する答えは、精密検査を行ってみないと断言できません。

ご自身で鏡を見て判断するのは難しいため、まずは歯科医院でCT撮影や口腔内スキャンを行い、骨の状態や歯の根の向きを正確に把握する必要があります。当院では、デジタル技術を用いて治療後のシミュレーションを行い、マウスピース矯正で無理なく治せる範囲なのか、ワイヤー矯正の方が良い結果が出るのかを、科学的根拠に基づいて診断します。

また、最近では「ハイブリッド治療」という選択肢も増えています。これは、治療の前半や、動きにくい歯だけを部分的にワイヤーで動かし、ある程度整った段階でマウスピース矯正に切り替える、あるいはその逆を行う方法です。ワイヤーの確実性とマウスピースの快適性を組み合わせることで、難症例であっても、期間を短縮しつつ、目立たずに治療を進めることが可能になります。「マウスピースだけでは無理」と言われた方でも、この方法なら対応できるケースは多々あります。一つの方法に固執せず、柔軟な治療計画を立てられる歯科医院を選ぶことが大切です。

まとめ

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いについて解説しました。

  1. ワイヤーは歯を引っ張る力、マウスピースは歯を押す力で動かすという違いがある。
  2. マウスピースは、非抜歯での全体的な整列や、開咬の改善が得意。
  3. マウスピースは、抜歯スペースを閉じる大きな移動や、歯の回転、引っ張り出す動きが苦手。
  4. ワイヤーは、三次元的なコントロールに優れ、難症例を含むほぼ全てのケースに対応可能。
  5. どちらか一方だけでなく、両方を組み合わせるハイブリッド治療も有効な選択肢。

マウスピース矯正は素晴らしい治療法ですが、万能ではありません。しかし、技術の進歩により、適応範囲は年々広がっています。 愛知県津島市のたかしま歯科では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正、両方のメリット・デメリットを熟知した上で、患者様一人ひとりのお口の状態やライフスタイルに合わせた、最適な治療プランをご提案します。「他院で断られた」という方も、諦めずに一度ご相談ください。あなたにとって最善の道筋を、一緒に探していきましょう。

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